うつぶき ~うつを克服し、その経験を力に変える~

うつ病・不安障害で療養中の私が、発症して感じたうつ病に対する考えや、うつ病を乗り越えるために自分が今実践している事、たまにはただのプライベート日記など、同じ病気と戦う方々と共に乗り越えていくための記事を綴っていきます。

根性論について

どうも、うつぶきです。

 

GWも終わり、令和一発目の内容は、根性論について考えてみたいと思います。

 

 

始めに私の結論から申しますと、

根性論はうつ病患者を増やした原因ではあるが、もし、撤廃されると更に経済格差が生まれ、それほどうつ病患者の減少は見込めない。

と考えます。

 

 

世の中、特にブラック企業と言われる会社はまだまだ沢山あります。今や公務員もブラックと言われるくらい仕事に対する負荷は日に日に大きくなっているものと感じています。

 

こういったブラック企業の上司や経営者が大抵言う事が、

 

「気合と根性が足りない」

 

これに尽きます。

 

気合と根性で仕事を乗り越える事が出来るのであれば、精神疾患の患者がこれだけ増える事も無いわけで、もはや今の世の中、気合と根性で苦難を乗り越えようという考えもタブー視され始めていると思います。

 

この根性論が通用しなくなった背景として、

 

ゆとり教育により、忍耐の許容量が減った

・不況と人材不足で、単純作業はコンピュータ任せになったことにより、単純に誰でも出来る仕事が減った。

・スキルを求める仕事よりもアイデアを出す仕事の需要が増えた

 

これだけ、平成の時代で大きく仕事に対する考え方や、若者のパフォーマンスに変化があったわけです。

それを昭和の「24時間働けますか」と言ったような働く事こそ正義みたいな暴論を振りかざして社員を説き伏せようとしても、うつ病を患う患者が増えるだけです。

 

 

話は変わりますが以前に経団連会長が「もう終身雇用は守れない」という発言で波紋を呼びました。

 

それだけ、今は会社の経営も圧迫している状況であるのも事実です。

 

特に中小企業の経営者は低賃金しか払えない状況で人材不足でも補充が出来ない、完全に負のスパイラルに陥っている会社も少なく無いでしょう。

こうなると、例えば、本来営業職で雇われてた社員が、総務や事務も兼任してより負荷が掛かるという話も珍しくなくなります。

こんな仕事の割り振りをして、社員が音を上げたら「根性で何とかしてくれ」と実際は経営者も音を上げている始末です。

 

それだけに、特にバブル期に現役だった会社の役員にとって「苦難は気合と根性で何とかするものだ」という考え方が今でも正義だと勘違いしている状況であると感じます。

 

ついには法律改正で残業時間の規制にメスが入りましたが、恐らく経営者にとっては心外だと思ったり、経営がより厳しくなったりとある意味では、ブラック会社が淘汰され始める事については、我々うつ病を患う人にとってプラスの要素だとは思います。

 

 

但し、仮に、この根性論を完全に廃止した場合、今後の社会はどうなっていくのでしょうか?

 

まず一つに、ブラック企業が相当数減るので、会社に従事する事については苦難する事は減ると思います。

但し、それだけ人材を確保する側もより慎重になり、より高いスキルを求められる傾向になると思います。

よって、2000年代の就職氷河期とはちょっと意味が違いますが、今度はスキル不足に対する正社員雇用の壁が更に厚くなってしまうのも事実です。

 

そのため、今度は自分の力でお金を稼ぐ事を求められ始めます。

 

要は、会社にしがみ付く事が出来ないので、自分で全てを管理しなければならなくなるわけです。

こうなると、根性を振りかざす人がいないため、自力自身で努力をしなければならなくなるということになります。

 

恐らく、うつ病になる人は、その方が自分のペースを守れるから良いという人も増えるでしょう。

 

但し、その反面、会社員では無いため福利厚生も無い状態であると言う事は、基本的に安心が保障されていないという事を受け入れる必要も出て来ます。

 

さらには、努力量や知識量で差が生まれ、更なる格差社会が生まれてしまう可能性は大いにあると考えます。

 

よって、上司からのパワハラモラハラ長時間労働によるストレスによるうつ病は減るかもしれませんが、経済格差や生活難を理由としたうつ病患者が増えることにより、それほどうつ病患者は減らないと考えます。

 

結局、根性論がなくなる社会になったとしても、自分自身で根性を出す時がやってくるのかなと思っています。

 

よく、フリーランスを「セルフブラック企業」と言う人がいます。

なぜなら、最初は稼げない状況から1円でもお金を生むために会社員時代の労働時間よりも実は長く働いていたりします。

ただ、逆に長く働く事について当の本人は苦労だとは思っていないわけです。

なぜなら、自分のやりたいことをやっているから長時間働いていても我慢にはなりません。

さらには、人の命令で動いているわけではないので、それほど大きなストレスは感じないわけです。

 

 

色々と脱線しましたが、結局のところ他者からの根性論がなくなったところで、会社員として働くにしてもフリーランスとして企業するにしても、定量の根性を今度は自ら持つことになる事になると考えます。

 

 

うつ病の療養には他者からの根性論は敵です。

 

ただ、自ら適度な根性を持つことで、生活を安定させる事が出来るのも事実です。

 

自分自身の中で微小の炎で良いので、完全に根性そのものからは逃げず、根性を根絶やしにしてしまうのだけは気を付けましょう。

 

 

今回は以上です。ちょっと、うつ病を患う方には厳しい発言もあったかもしれませんが、今後、自分らしい生活を送るための現実の問題として頭の片隅に置いといていただければ幸いです。

 

 

また次回もよろしくお願いします。